大阪市の繁華街、天王寺から近鉄電車で約30分。滝谷不動駅から徒歩30秒のところにある。

 雇用されるのが難しい障がいのあるひとに、はたらく場を提供している障がい福祉サービス(就労継続支援B型事業)。 

障がい福祉サービスの中では、障がいのあるひとは支援を受ける対象となるが、自分の強みを活かし、精神的安定から経済的自立につながるよう、工房はんどではアートな活動を中心に展開。 

手描きの絵やデザインから、独自にテキスタイルを作り、裁断から縫製まで自社で製造・販売している。手づくり雑貨だけではなく、企業などへデザインを提供し、二次利用されている実績も増えている(カレンダー・年賀状・ホームページ・フライヤー・食品パッケージ・アプリ・仮囲い、ロゴやキャラクターなどのデザイン)。 

2018年、富田林市ブランドの認定を取得(富田林市をイメージさせる、オリジナルテキスタイルデザイン「カードケース」、オリジナルデザイン「ハンドミラー」) 

内装に木を使った落ち着く環境で、ショップも併設し、工房では、現在21名のアーティストが作品づくりを行っている。

 ほとんどのアーティストが、最初は「自分には絵なんて描けない」と思っていた。

「ネコの顔は丸じゃないといけないのに私は丸く描けない」など、「こうあるべき」という気持ちをもって、コンプレックスがあった。「それでいいんだよ」と、ひとりひとりの作品を認めていくことで、自由に自分らしく描けるようになっていった。

もともと絵を描くことが好きなひとでも、世の中にはもっとうまいひとがいる。。。と自信をなくしてしまっていることもある。まったく、絵を描くことに興味を示していなかったひとでも、自分の才能にびっくりしているひともいる。 

わたしの知る障がいのある多くのひとは、成育歴の中で失敗体験を繰り返し、自信をなくしてしまっている。「心が安定」すれば、彼らは自分のもつ最大限の力を発揮できると信じている。 

当初から理想としているのは、一人ひとりをアーティストとして位置付けて、店頭での雑貨販売だけでなく外部にデザインとして売り出していくこと。

 障がいのあるひとは、アートの活動など自信のもてる環境の中では、障がいはなく、ひとりの人間として、自立できる力を十分にもっている。                  

( 工房はんど 代表 安 野  壽 )

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